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剪定枝の炭化 普及進む(23.12.13)

炭化器を前に青森県から来た視察メンバーに説明をする手塚次長

山梨県は、大気中の二酸化炭素の増加量を抑え地球温暖化を抑制するための取り組みとして、果樹の剪定枝を専用の炭化器を使って炭にし、土壌に埋める方法を勧めています。

JA南アルプス市も2021年から各地で講習会を実施、これまで34戸の農家が同炭化器を購入するなど、普及が進んでいます。

普及の鍵は若手農家と女性農業者でした。普及当初、ベテラン農家などからは『今まで焼却していたのに面倒だ』と言われ、炭化器の導入にどちらかといえば消極的でしたが、環境問題に関心のある若手や女性たちが積極的にJAの開く講習会に参加していました。

炭化器は底のないすり鉢状のステンレス製で、直径は1メートルほどです。剪定枝を入れて火をつけると、投入量や枝の乾燥具合にもよりますが30~40分ほどで燃焼し炭化します。

一度に入れる枝の量が限られる事や、ある程度枝の太さを揃えないと火加減が難しい事などで、焼却に慣れていた農家からは敬遠されていました。

しかし講習会に参加した農家が園地で使用していると、次第に「焼却よりも煙が少ない」「炭を畑に埋めると土壌改良に繋がる」といったメリットが他の農家に伝わり、徐々に同炭化器を導入する農家が増えてきました。

難しいと言われていた火加減も、先に使用している農家が周りの農家に教える形で上達して行きました。

さらに、炭化器で囲われている事で周りの草などに燃え移りにくいと、火災事故を心配する家族から導入を促される例もありました。

当JAでは炭化器を販売する他、購入を検討する方にはデモ器の貸し出しも行っています。

12月13日には青森県のJAや行政関係者5名が視察に訪れ、手塚次長が管内の園地にて炭化器や炭になった剪定枝を前に、使い方や普及について説明しました。

営農経済部手塚英男次長は「農家も『環境に良い』だけではなかなか動かない。女性農家の集まりで講習会を開くなどした事で、環境問題に関心がある人たちから広まった。これを機に地域全体の意識が高まることを期待したい」と話しました。

当JAは、山梨県が取り組む農業分野から脱炭素社会の実現を目指す「4パーミル・イニシアチブ」に賛同し、県からエフォート(取り組み・計画)認証を受けています。

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