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白紋羽病に有効な資材の現地実証を行う(23.3.30)

T‐プロテクトを土に混ぜる日本タルク社員

 

JA南アルプス市は3月30日、桃やサクランボの木を枯らす白紋羽(しろもんぱ)病の予防・回復に有効と考えられる土壌改良剤「T‐プロテクト」の現地実証を行いました。

南アルプス市の農家は昔から同病に悩まされており、JAでは今回の結果を確認し、「T‐プロテクト」の普及を勧めたいと考えています。

白紋羽病は土の中にいる白紋羽病菌(カビ)が木の根に感染し、根を腐らせ木が枯れてしまうもので、発生した場所に新たな木を植えても再び感染してしまいます。

感染した根は白色のカビに覆われ、木に栄養や水分を運ぶ能力を失います。土の中で症状が進むため外から見つけられず、樹勢が弱まってから気付くことが多いです。

JAも桃農家から「この場所に苗木を何回植えても枯れてしまう」といった相談を受ける事があり、これまでは農薬などで土壌の消毒・殺菌をする等で対処して来ましたが、一時的な効果があるだけで再発してしまう事もあり、抜本的な対策が出来ませんでした。

「T‐プロテクト」は非病原性の白紋羽病菌を含んでおり、苗木を植える際に土と混ぜると、元から土の中にいた白紋羽病菌をエサとする有用菌が増殖し、結果感染を防ぐ効果が期待出来るそうです。

また既に感染した木に対しても、根元を掘り起こして60℃程度のお湯をかけて病害菌を減らした所に、「T‐プロテクト」を混ぜると、同様の効果が見込まれるそうです。

この日は同資材を開発した日本タルク株式会社の社員などが市内の桃の園地を訪れ、苗木の植え付けと成木の根元に同剤を混ぜる2通りの試験を行いました。

苗木の植え付けでは1袋1.3㎏の同剤を3袋使い、スコップで塊を崩しながら土と混ぜて植え付けました。成木も根元の土にお湯をかけてから同様に行いました。

営農経済部手塚英男次長は「想像よりも行程が単純で、農家が作業しやすいと感じた。結果を見て普及に繋げたい」と期待を込めました。

、「T‐プロテクト」は、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構が非病原性の白紋羽病菌(非病原性ロセリニア・ネガトリクス菌)を土壌に混ぜることで圃場の有用菌が増殖することを検証し特許を取得したものを、日本タルク株式会社とアグリバイオシステムが共同開発し世界で初めて資材化したものです。

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