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農地の貸し借り 遊休農地の解消へ(22.8.30)

JA南アルプス市は、高齢化や後継者不足などにより、農業が出来なくなった農地の貸し借りの仲介をする農地中間管理機構の運用に力を入れています。

担当する営農指導部の高野晃史室長は、令和2年4月に就任して以来、手作り掲示板を発案するなど積極的に周知活動を行い、今までに55人に約11ha、189区画の農地を仲介して来ました。

農地中間管理機構を利用し新規就農をした人を取材しました。

 

いちご公園で高野室長(左)と話す角さん夫妻

櫛形山の裾野に広がる平岡の棚田の一角に今年、「いちご公園」という看板が立ちました。角廣志さん、美子さん夫妻が同機構を利用して2月から借りている畑です。

スモモやブドウなど、地域で多く作られている果実の他、ワイルドストロベリー、ユスラウメといった珍しい品種も合わせて13品種を育てています。

夫妻は3年前、南アルプス市が運営する賃貸型の市民農園「クラインガルテン」を利用した事をきっかけに東京から移住しました。

移住当初、農地を借りたいと思い、仲良くなった地元農家数名に声を掛けたが、なかなか話がまとまらなかったそうです。

そんな時に訪れたAコープ甲西店で、当JAの農地の貸し借り情報を載せた掲示板を見て「これだ」と思い連絡した所、スムーズに計12aの農地を借りることが出来ました。

廣志さんは「話がすぐに進んで、高野室長には感謝している」と話します。

夫妻は、この場所を地域の高齢者や子ども達が集い、農業を楽しむ遊び場にしたいという思いを持ち、ゆくゆくは地域の観光にも役立てたいと考えています。

「このあたりは天候が良く災害も少ない、すばらしい環境の土地だと思うが、遊休農地が多い。この農園を、農地の活用について考えるきっかけにしたい」と廣志さんは力強く語りました。

 

畑を整地するカワノさん夫妻

飯野新田地区では、遊休農地となっていた果樹園を復活させようと、カワノタカシさん、ニズチコアリセイさん夫妻が奮闘しています。

今年4月に農地中間管理機構を利用して計90a、11区画の農地を借りました。整地後には桃、ブドウを植えて専業農家を目指しています。

市役所を通じてJAに相談があり、高野室長が元々果樹園だった土地を2人に紹介しました。

同地は所有者の事情で数年前から手入れが難しくなり、草木が生い茂った状態になっていたため、現在木の伐採を進めています。

タカシさんは「(15aの区画を)4日くらいで伐採出来ている。弟夫婦とも協力して、いずれは借りる農地を増やす事も考えている」と話しました。

 

高野室長は「2組とも非常に熱心に農業に取り組んで下さっている。遊休農地を減らし、正常な農地を増やす事は、地域に根差したJAの根幹となる事業だと思う」と力を込めました。

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