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剪定枝を炭に 温暖化を防ぎブランド化も(21.3.18)

実証実験を行うJA職員

 

山梨県は昨年から、温室効果ガス削減に向けた国際的な活動「4パーミルイニシアチブ」を積極的に進めています。

その一環として、ブドウや桃など果樹を剪定した際に出る枝を炭にして土中に埋める事で、空気中に放出される二酸化炭素(CO2)排出量を減らすという取り組みに力を入れています。

JA南アルプス市は3月18日、この取り組みを農家に周知するため、専用器具を使って剪定枝を炭にする焼却技術の説明会を組合員の園地で開きました。

山梨県農政部農業技術課の斉藤典義技術指導監が講師となり、実証実験を行いました。

使用する専用器具は金属製で、直径1mほどの底を抜いたボウルのような形をしています。

ここに事前に乾燥させておいたキウイフルーツの剪定枝約8㎏を入れ、火を付けると30分ほどで炭になりました。

山梨県は、剪定枝の処分方法で現在主流となっている焼却よりも、炭化させ炭の状態で残すことで、より多くの炭素を長期間土壌中に貯留することが可能になるとしています。

世界の土壌(30~40㎝)の炭素量を毎年0.4%(4パーミル)増やす事が出来れば、大気中のCO2の増加分を相殺し、温暖化を抑制できるという「4パーミルイニシアチブ」の理念に沿った取り組みです。

さらに山梨県の農産物を「環境に配慮した農産物」として付加価値を向上させ、ブランド化を進めて行くとしています。

参加した組合員は「環境問題は大切だが、環境に良いだけでは農家も忙しいので続かない。炭を土に埋める事で果樹に良い影響があるということや、どのくらいの量を園地に埋めれば良いのかなど、具体的な情報が広まれば賛同する農家も増えると思う」と話しました。

営農指導部手塚英男次長は「作業はひと手間かかることだが、環境に配慮した新しい取り組みになる」と期待を寄せました。

JAでは今後、専用器具を組合員に貸し出す事などを検討しています。

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